アジャスターとの協定とは?協定に困っている工場はご相談ください

コラム-ブログ-板金塗装工場向け

鈑金塗装工場のフロント担当者、通称フロントマンの仕事の一つに、協定というものがございます。

フロント担当者の仕事について書いた記事もございますが、今回はその中の協定という仕事にフォーカスした記事です。
アジャスターとの協定に困っているフロントマンの方へのヒントもあるかもしれません。

アジャスターと鈑金塗装工場が行う”協定”とは

”協定”でGoogle検索すると、

協議して定めること。相談して決めること。またその決めた事柄。特に、国家間の取り決めで、あまり厳重な手続きをしないで結べるもの。

https://www.google.com/search?q=%E5%8D%94%E5%AE%9A&oq=%E5%8D%94%E5%AE%9A&gs_lcrp=EgZjaHJvbWUyBggAEEUYOTIGCAEQRRg7MgYIAhBFGDvSAQgyMTE2ajBqN6gCALACAA&sourceid=chrome&ie=UTF-8

とあります。
保険会社のアジャスター、日本語だと事故調査員と言うかもしれませんが、アジャスターと行う協定は、主に「(一件の)事故における車両修理金額の確定(適正化)」となります。

相談して決めること、とありますが、一体誰のため、何のために修理金額を相談するのでしょうか。

協定は誰が何のために行っているのか

なぜ修理工場の見積もりがそのまま認められないのか。
修理工場が、人手不足の中雇用を継続し設備投資を続け顧客満足を継続的に得ていくために必要な金額を、なぜ無関係な保険会社の人間が入って修理金額の確定を行うのか。

単純に、「板金塗装工場が根拠の無い見積もりを作ってきた結果」とも言えますし、「誰かが点検をしないと見積書にムダやムリ、つまり保険金詐欺とも捉えられかねない内容が含まれているから」とも言えます。
理由は一つではないにしても、実際に見積書を誰も点検せずにそのまま支払われるとなれば、再現なく修理金額は上がり続け、保険料も上がり続ける事でしょう。
昨今の鈑金塗装工場に対する信頼・信用の低下を考慮しなくても、協定は無くてはならないものだと佐野も考えています。

アジャスターの横暴ともいえる値引き交渉

もちろん、アジャスターの仕事は「板金塗装工場の見積もりを適正価格にする事」と考えれば、見積り金額が上がる事もあります。これは、鈑金塗装工場の見積もりに抜けがある場合が多いです。
例えば、明らかに交換している部品が見積書から抜けている、明らかに行った作業が抜けている、このままではこの工場は赤字になるのでは、という場合にご指摘いただく事となるでしょう。

保険会社のアジャスターによっては、根拠もない金額調整=値引き交渉が仕事となっている場合もあります。
多くの鈑金塗装工場はこの根拠もない値引き交渉に苦しんでおり、結果的に鈑金塗装工場は潰れ続け、10年後には半分も残らないと言われています。

ようやく金融庁等の国の機関に怒られはじめておりますが、まだ協定の現場、つまりアジャスターとの会話の中では、根拠もない値引き交渉がはびこっており、工賃においては20年前、30年前とそう変わらない金額を「平均値である」等と交渉材料にしてきます。

アジャスターとの協定に困ったら

これを読んでいるのがフロントや鈑金塗装工場の経営者、又は部長等の担当者の方で、お困りであればぜひボデーショップ佐野にご相談ください。
適正な価格の算出、適正な価格の運用と協定手法についてご相談を無料でお受けしております。
メールやLINEなど、どんな方法でも構いません。有料となる内容もございます。

保険会社の方やカーユーザー・カーオーナーの方は、鈑金塗装工場のコロナ過以降における値上げに対し、許容していただきたいと存じます。

ボデーショップ佐野では、5年以上かけてようやく鈑金塗装工場の適正価格算出、及びその価格付近での協定手法を見出す事が可能となりました。
同業他社に情報提供を行う理由は複数ありますが、一番の目的は「この業界が盛り上がる事で、人材が定着し、全国的な事故修理の需要に対する供給が安定する事」です。

保険会社のせいで自社の適正価格が保たれない事で、人材が定着しない=雇用が安定しないと、需給バランスが崩れ生き残った鈑金塗装工場が全て疲弊します。
しかし、保険会社の社員はボーナスも出て給料も年齢や社内評価でしっかり上がって、鈑金塗装工場がボーナスを出せなくなるぐらい値引き交渉をしてきてもそれが自分の仕事だと信じています。

まとめ:車の修理がお金持ちのためのものにならないために

鈑金塗装業は、サービス業です。
AIは進歩してきておりますが、車を直すのは人間で、直す人以外にも多くの人が関わっています。
夏は暑く冬は寒い工場が多く、リモートも出来ない、多くの修理工場は人を育てるのが下手など、人気が出る事はこれからも無い職種、それが鈑金塗装工場です。

このまま価格転嫁がなかなか認められず、鈑金塗装工場が潰れていくと、修理需要が供給を大きく上回ります。
弊社も含め人材不足から納期が長引く工場が増えてきておりますが、このまま需要が供給を上回り続けると、需給バランスを金額で保つ工場が出てきても不思議ではありません。いわゆるファストパスのような、優先修理権です。

需給バランスが崩れ始めた時に生き残っているのが、お客様の見えないところで悪事を働いている鈑金塗装工場か、赤字でも鈑金塗装部門を抱えている販売店か、人件費や材料費の価格転嫁を適正に行っている工場だけになるかもしれません。

「修理をした」と言ってしていない場合や、わざとお客様の車のキズを増やし本来の事故に対して水増しした修理金額の請求を行う等、社会的な制裁を受ける必要がある工場では、長続きしないでしょう。

赤字でも鈑金塗装部門を抱えている販売店では、赤字部門の人材や設備にかける経費の問題によって緩やかに部門の閉鎖となるかもしれません。

王道、正道を往く鈑金塗装工場が黒字化し、多く生き残って業界が盛り上がる事で、人材不足による廃業という工場数が減り、需給バランスを保てる一助になればと、今後も記事を書いていきます。

投稿者プロフィール

shusukesano
shusukesano
2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。

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