事例：修理せず車両保険金だけもらいたい

事故を起こす前から車の買い替えが決まっていた、事故をきっかけに車を買い替える、という方ももちろんいらっしゃいます。
車両保険金だけもらいたい、というご依頼はまだ全国的にも少なく、そのためのお見積りや保険会社との交渉を断られるケースもあると思います。

ボデーショップ佐野では、有料にて見積もり・協定までお手伝いさせていただきます。
弊社としては全国からのご依頼も対応できますが、保険会社から遠方の工場だからと断られる可能性もあります。しかし、約款では家の近くの工場で直さなければいけないと書かれていないはずです。
保険会社は不可能だから断っているのではなく、埼玉県の方が修理代が高いから断っている可能性があるとお考えください。

ある事例で支払われた車両保険金の事例

ドア2枚とリヤフェンダーの損害で、最終的に70万円台で協定し、弊社の手数料を引いても70万円以上を保険会社がお客様にお振込みとなりました。
1度目のご来店見積もりから買替をご検討の後、2回目にご相談でご来店の翌日には金額が確定しました。
車両保険なので、スムーズに支払われるでしょう。
買替の頭金になったのであれば幸いです。

車両保険金だけもらう事に問題はあるのか

保険金は、損害を補填するために支払われますが、その使用用途は自由です。
保険の契約書・約款に記載されている事となりますので、もちろん、保険金詐欺でもありません。
そのため、一部だけ修理するのはもちろん、全部修理してもしなくても、買い替えても車を乗るのを辞めてしまっても問題ありません。

ただし、修理しないと支払われない見積書内の金額や各種特約等がある場合があります。
また、部品代は事故時のものとなる可能性が高い事もあり、後からやっぱり直したいと思っても、その金額で直せない場合がございます。

複数の工場でお見積りをした方が良い場合もある

もしお時間に余裕があれば、複数の工場でお見積りを取った方が良いと思います。
多くの方が「どうせ保険を使うのだから、キレイに修理してほしい」と考えるように、「車両保険金としてもらえるお金は多い方が良い」と考えるでしょう。

見積もり金額は、工場によって違うだけでなく、同じ工場内でも担当者によって異なるケースがあります。
ニーズをしっかりお伝えいただき、そのニーズを汲んだ見積もりを作成するのもフロントの仕事ですので、経験の差が出る事もあります。

例えば、初期見積もりはボデーショップ佐野内で若手のフロントマンが、70万円台の見積書を作成しました。
佐野がお客様から意向のヒアリング見積もりを精査したところ、同じ事故に対して20万円近く高い見積もりとなりました。
若手のフロントマンだから悪いとか、安かったからダメ、という事ではありません。

お客様にお待ちいただいている間に作成した見積書だと、精度が落ちる場合があります。
長時間お待たせしないよう、限られた時間で作成した見積もりは細かい部分の抜けや想定する作業方法の差、塗装難易度が高い色である割増が足りていない等、”お待ちいただいている間に見積書を作成するとこういう事が起こる”良い例だと感じました。
（昨今は車両の高度化により10分程度で作成できる見積もり精度には難が出やすいため、来店見積もりにてその場で見積書発行、というサービスは辞めても良いかもしれません）

お客様のために、初期見積書を保険会社提出前に再チェックする。
見積りも保険会社との協定（金額確定）も無料で行う工場に依頼すると、こういった事はなかなか行わないのではないでしょうか。

車両保険金だけもらう場合の流れ

車両保険金をもらうために必要な書類・資料等は保険会社によって若干異なる場合がございますが、概ね2パターンに分かれます。

修理工場に全て依頼する場合

具体的なニーズ、例えば買替を予定している場合はその日程等をお伝えしていただいた後、工場で写真を撮影してもらい、見積書の作成から保険会社との折衝まで全て行っていただけるでしょう。
LINEやメール等で行っていただける場合もあると思いますが、実際に車両を見ないで作成する見積書は実作業内容と乖離があるケースもあり、「後からやっぱり直したい」となった時に、その金額では直らない可能性もございます。
可能な限り、実際に見ていただいて見積もりを作成した方がトラブルは少ないでしょう。

修理工場に全て依頼する場合は、車両保険金を受け取って修理をしない旨を事前にお伝えしましょう。
無料では行っていない、有料のメニューとしても無いと断られる場合はまだマシかもしれません。
断りづらいからと嫌々見積もり・協定をする会社は、やっつけ仕事・・・つまり、時間をかけないように無責任な見積書で投げやりな協定をするかもしれません。しかし、無料で手間を引き受けていただいているので、私なら文句は言えません。
ご依頼から保険会社との金額確定まで、小さい案件でも1時間～2時間かかる場合がございます。1円にもならないとなれば、よほど協定にプライドがなければ、時間をかけたくないのではないでしょうか。

見積書を受け取ってから「これだけかかるなら、修理せず買い替える事にしました」という方ももちろんいらっしゃいます。その段階で保険会社との協定まで依頼しても、引き受けていただけない場合も考えられます。
修理をしない事が明らかであれば、あらかじめそのニーズを伝えた方がお互いに気持ちよく対応が出来ると思います。

外注先に全てを依頼しているディーラーや量販店、中古車販売店などの場合、修理を一切せずに保険会社との協定まで、有料であっても出来るかどうかという確認に時間がかかるケースもございます。

自分で保険会社に見積書を提出する場合

有料でも依頼できるところが無い場合や、どうしても有料は嫌！という方向けです。
どこかで見積もりを作成してもらって、その見積書をご自身で保険会社に提出します。
写真の提出方法は保険会社にもよりますが、今時写真を印刷して郵送で送るという事は稀でしょうから、WEB上で送る事になるでしょう。

鈑金塗装の見積もりというのは、専門用語が多数あり、部品名を見てもどこのどういった部品なのかプロでも分からない場合がございます。同じ種類の部品でも、メーカーによって呼称が異なったりもします。
その見積書に対して、保険会社から「この作業は不要です。この部品は再使用が可能です。この見積書のこの部分は市場価格に対して著しく高額です。平均的な値はこうです。」といった話が出てきた場合、反論が出来ないと見積書通りには支払われないとお考えください。

もしかしたら、見積書通りに支払われるかもしれません。しかし、何も言われずそのまま通るという事は、保険会社にとって”文句のつける場所が無いほど安い”見積書だからかもしれません。
なぜなら、保険会社の協定（金額確定）を行うアジャスターは、「提出された見積もり書を安くすること」が自分の仕事だと思い込んでいる人がいるからです。
修理工場にご依頼する方が、最終的には時間もお金も得をすると思われます。

まとめ：車両保険金だけ受け取りたいというご相談は、ボデーショップ佐野へ！

弊社では、協定まで行う見積り料というメニューを設定しております。
ご相談は無料です。精査した見積書の作成と協定は有料です。
お写真の追加をお願いする可能性が高いですが、遠方でも可能だと考えています。
近隣で受け付けている工場が無い場合などもご相談ください。
メールやLINEで車検証や損害のお写真をお送りいただけます。
他社見積りがあれば、併せてお送りいただくとベターでスムーズです。

遠方でなければ、トラブルを防ぐためご来店いただき、お打ち合わせ、写真撮影等、事故内容により15分から1時間程度お時間をいただく場合がございます。
前述の通り、その場で見積書を印刷する前提ですと、細かい部分の確認が出来ず、社内で抜け・漏れがないかのチェック等も行えない場合がございますので、金額は後日お伝えする事になります。
その場である程度の金額を確認したい場合は、多少前後する前提とお考えください。

10年経っても100点の見積もりは書けないと言われる鈑金塗装工場のフロントマンという世界で、写真撮影、ニーズの把握、見積り専用のシステムを用いて見積書を作成し、システムに無いオプション品などがあればオプション品の金額確認、事故状況の確認、画像の伝送、保険会社との事故整合性確認、見積り内容についての正確性の打ち合わせという名の協定。
これらを全て修理費に含む形で行っている会社に、無料でベストな結果を求めるのは、人件費も上がっている中で難しいため、精査した見積書が有料である事にご理解ください。

ご不明な点があれば、お気軽にお伝えくださいませ。
LINEの登録はトップページから可能ですので、よろしくお願い致します。

投稿者プロフィール

shusukesano

2022年7月時点で板金塗装工場のフロント（事故修理担当者）歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け！という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。