コラムブログ

免責と等級から考える修理方法

最初にお断りしておきますが、稀に「保険会社に余分に請求して、10万円の免責をまけてよ」と言ってくるお客様がいらっしゃいます。 これは、保険金詐欺をするから手伝え、と言っている事になります。 お客様を犯罪者にしたい工場は保険金詐欺幇助をするかもしれませんが、ボデーショップ佐野では断固として断らせていただきます。 ちなみに、弊社を含め良心的な修理工場では、保険金詐欺や保険金詐欺まがいの事をしなくても、可能な限り免責の負担額が低くなるご提案も可能です。 具体的には、弊社の佐野あてでお電話をいただければ、可能な限りお力になれると思います。 (当たり前ですが、すべての要求が通る訳ではありません。事故の内容や提案できる箇所により、免責の一部又は全額分を修理しないという選択肢をお伝えするだけですので、本来はどの工場でも可能なはずです)

そもそも、免責金額って何?

インターネットや電話で自動車保険を契約する方がいますが、 実際に保険を使うタイミングで、 「免責金額って何?」 「どうして保険を使うのにお金を払わなければいけないの?」 という疑問が出る場合があります。 それでは、保険会社がどう説明しているか、見てみましょう。(各損保の解説ページに飛びます) ・ソニー損保の免責金額の説明 ・SBI損保の免責金額の説明 ・チューリッヒの免責金額の説明 3つくらいあれば良いのが出てくるでしょう。 SBI損保さんが分かりやすく詳細ですが、ソニー損保さんは4コマ漫画で見やすいですね。 チューリッヒさんは割と商品説明っぽい感じです。 これは各社のサイトの作り方や顧客層にもよるかもしれませんので、ここではあっちが良いとかこっちがどうとかの比較をしたいわけではなく、 お得な免責金額の設定方法を書いているところがあればいいな、と思ったのでした。

免責をつけると本当にお得?

前述のSBI損保さんのサイトを引用して説明しましょう。
免責金額(自己負担額)のパターン 保険料(保険期間1年、一括払)
35歳 17等級 (事故有係数適用年数0年) 40歳 20等級 (事故有係数適用年数0年)
10-10万円

31,570円

23,560円

5-10万円

34,550円

25,800円

5(車対車免0)-10万円

35,890円

26,810円

0-10万円

38,390円

28,690円

※保険料算出の元となるデータはSBI損保さんのサイトでご確認ください 免責金額というのは、簡単に言うと”保険を使う時の自己負担額”となり、免責10万円であれば「100万円の保険金が入る案件ですが、その内10万円はご自身でお支払いください」となります。 「保険会社に払うの?どうやって?次回の保険料支払う時に払うの?」と思いますよね。 基本的にはディーラーや修理工場などの修理依頼先に支払います。 (車両保険、対物保険の免責の場合) さて、私が自動車業界に入った2005年くらいでは、保険を使うような事故は10年に1度と聞かされました。(本当かどうかは知りません) SBI損保さんの上の表で考えると、免責が0-10の場合と10-10の場合では、35歳の例で年間6,820円、40歳の例で5,130円の差となります。 仮に10年に1度保険を使うと考えると、10年間で10万円の差はありません。 つまり、統計的にはあまり得をしない感じがしますね。 では、どういう方が免責をつけると得をするでしょうか。 上の例は、SBI損保さんが保険料の安さを見せたいので、等級が高い(事故をあまり起こさない)方で算出しています。 では、新規契約の場合はどれくらいの保険料でしょうか。 ここで新規契約の参考金額が分かりやすい、チューリッヒさんの例を見てみましょう。 (ページの中央あたりに40歳の新規契約例があります) うーん、安い!車両保険がついて年間5万円台前半。インターネット割引って毎年使えるんですかね。 しかも、今時そんな契約お勧めしないだろ…いくら安く見せようったって…みたいな契約ではなさそうです。 免ゼロ特約無し、つまり免責10-10ですね。1回目の事故から免責10万円です。 そうです。免責をつけるのは、割引効果が大きく、保険料の上昇を考えると少額の事故で保険を使わない選択肢となる、低い等級の時がお勧めです。 (そもそもチューリッヒさんでは、7等級からでないと免責ゼロ特約が使えませんが)

事故が小さいけど保険を使った方が得?

割引率にあまり差が無い17等級以上を除き、保険を使い3等級下がると、1年間の保険料が4~5万円ほど上がる場合が多いと思います。 つまり、3年間で元の保険料と同じ等級になるまでに、おおよそ15万円かかります。 (実際にどうなるかは、細かい契約内容によるので保険会社にお問合せください) ここで、保険会社は免責がなければ「15万円が一つの保険使用の目安となります」と言う場合があります。 (免責10万円なら25万円ですね) そんな訳ないですよね! 損益分岐点的な考え方でいくよりも、機会損失的な考え方の方が良いと思います。 もし保険を使わなければ、翌年は7等級、保険を使えば3等級ダウンで4等級だとします。 ノンフリート等級別料率制度(つまり、契約台数が10台未満の方の保険契約)では、20等級になるまで保険料は毎年下がり続けます。 つまり、6等級で保険を使うという事は、この先20等級になるまでずーーっと保険料は上がったままだと言えます。 最低でも14年はかかります。 14年間上がりっぱなしの保険料ですから、当然大損です。そこで、

車両保険の平均支払い額データを見てみましょう

損害保険料率算出機構統計集 https://www.giroj.or.jp/publication/statistics/ この2018年の統計によれば、自家用車の車両保険支払い保険金を車両保険使用件数で割ると、普通車+小型車で35.5万円になります。 私の数字の読み方が間違えてなければ、平均的な保険を使用する事故では35.5万円の損害額となっている、という事ですね。 それ以下で保険を使う事、また、そもそも車両保険が35万円以下でついている場合は…統計的・平均的には損をしているかもしれません。 (もちろん、1回の保険修理で100万円以上払う事もありますので、実際には25-35万円が多いかもしれませんが) 私がお客様に感謝される話の一つ、免責の設定方法と等級から考える保険使用をご紹介しました。 お客様のカーライフの参考になればと思います。

ここまで、

修理方法について考えてませんでした。

さて、保険を使うかどうかギリギリの時に、「やっぱり車両保険を使いたくないな」と考えたとします。
それを修理工場に伝えてみると、どういう反応が返ってくるでしょうか。

弊社では、「では、ご予算をいくらぐらいで考えましょうか」又は、「じゃあココはやらないので良いと思います。そうすると4万円安くなりますね」という回答になると思います。

あまり親切ではないところだと、
「えっ、保険を使わないんですか?」とか、「保険を使わない場合高くなります」とか、面倒くさがっているのが分かります。

外注先への確認で数日かかる、という場合はまだ良心的で、そもそも相談にも乗ってもらえない場合があります。

修理方法や、予算によって作業方法の提案が出来る工場が良い工場だと考え、お客様に様々なパターンをご提案できる工場となれるよう、日々勉強しております。

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