レンタカー費用等不担保特約のメリットとデメリット

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NEWS-コラム

レンタカー特約が自動付帯となり、以前よりも代車が無くて困るという方は少なくなったように思います。

レンタカー費用等不担保特約をつける(自動付帯となったレンタカー特約を無くす)事は、どのような方にどのようなメリットがあるのでしょうか。

レンタカー特約やレンタカー費用等不担保特約の内容は各損保で若干異なるため、詳しくはご契約の損害保険会社にご確認いただかないといけませんので、どのような方にレンタカー費用等不担保特約のメリットがあるのか、記載していきます。
また、レンタカー特約のお得な使い方はこちらの記事にございます。

メリット:保険料が安くなる

レンタカー費用等不担保特約のメリットは、保険料が安くなるの一言に尽きます。
では、どういう方にレンタカーが不要なのでしょうか。

・車を毎日使うわけではなく、公共交通機関等で代替可能である
車を所有しているが、使用頻度が低く車がなくても問題無い方はレンタカー費用等不担保特約をつけても良いと思います。

・仲の良い工場で無料代車を借りられる
お盆前や年末年始などの時期ですと、代車が出払っていてすぐ借りられない可能性がございます。
また、首都圏ですと無料代車はスタッドレスタイヤではないなどもありますので、スタッドレス必須等であればレンタカー特約を7000円や1万円など、多めに付けた方がよいでしょう。

・自分の車以外を運転したくない
慣れ等の問題で自分の車以外を運転したくない同じ車種じゃないと運転できない、という方はレンタカー特約を付けて、同じ車種でレンタカーを手配できる方が安心ですね。
もちろん、レンタカーが無いような車種ではこちらの選択肢が取れません。

一部のレンタカー特約は使いづらい条件のものもあります。
不担保特約をつけた場合(レンタカー特約を外した場合)の差額と、レンタカー特約の内容を考慮して不担保特約をつけるか考えましょう。

デメリット:車が無い期間ができる場合がある

弊社のような無料代車のある工場に依頼する場合でも、レンタカー特約にはメリットがあります。
無料代車を多く抱えている工場であれば、事故を起こしてすぐのタイミングでは代車が出払ってしまい無かったとしても、標準的な自動付帯のレンタカー特約である15日間の間に戻ってくるケースが多いと思います。

つまり、レンタカー特約が15日あれば、修理に出すと車が無い期間はほぼゼロに出来るでしょう。

複数台の車両をお持ちで、1台なくても大丈夫、という方にとっては、大きなデメリットではないかもしれません。

参考:レンタカー費用等不担保特約について計算をしてみる

では、メリットとデメリットをどのように計算すると良いでしょうか。

不担保にしたときの金銭的なメリットは、年間数千円になる場合が多いと思います。
事故率は、損害保険料率算出機構2022年度自動車保険統計によると、自家用乗用車の任意保険契約件数32,531,056件に対し、支払い件数2,391,507件のため、7.35%となります。契約の件数と支払いの件数は省きますが、車両保険は5%、対物保険で2.65%となり、2022年8月~2023年7月の弊社統計である実費作業率は約40%であることや、任意保険未加入率等を鑑みると、おおむね「事故は10年に1回説」(事故率10%程度)は妥当と言えます。

レンタカー特約は損保によって内容が異なりますが、東京海上日動火災保険(株)さんのレンタカー特約は「修理中のレンタカー費用の保証」となっておりまして、事故以外、例えば故障でもレッカー搬送が必要な場合はレンタカー特約が使用できるようです。
ソニー損保さんではレンタカー特約のみ使用する事が出来ること・等級は下がらない事が明記されていることから、車両保険を使用しない(ご実費での)修理でもレンタカーをデメリット無しで使えるはずです。ただし故障では使えないようです。
どちらも、(契約時期によりますが)レンタカーを借りなくても良い場合は代替交通手段の費用を負担してもらえるようです。

「どの損保でも同じでしょ」と思われがちですが、特約の詳細を比較すると大きな差がございます。
私が知る中で最も使いにくいのは「事故日から30日間まで」のレンタカー特約で、どこかの共済さんだったと思います。
仮に事故日が1月1日、修理工場が空いておらず、ご自身の都合等もあり修理に出したのが1月15日の場合、残りの2週間ほどしかレンタカー費用が出ません。
(こちらは改善されていたと思います。やはり実際に借りられたのが10日程度だった、というクレームがあったのでしょう)

弊社の場合、小型車又は軽自動車の無料代車が戻るまでの日数は長くても15日程度とすると、レンタカー特約を一度使った場合に出してもらえる最大の保険金は(5,000*15=)75,000円です。
単純計算をすれば、レンタカー費用等不担保特約により保険料が7,500円以上お安くなり、代替交通手段が安価な方は不担保にするメリットがあるでしょう。
運転頻度やご自身の交通代替手段、契約損保のレンタカー特約の内容を考慮して検討してみましょう。

レンタカー特約をグレードアップするメリット

最後に、不担保とは逆にレンタカー特約の日額を5,000円30日、7,000円30日、10,000円30日とグレードアップするメリットについて解説します。

ご自身で一般顧客として借りる場合よりも、保険会社や板金塗装工場の方がお安く借りられる場合があるため、一般料金で考慮すると「大手レンタカー会社では借りられないじゃないか」となる方がいらっしゃるかもしれません。
2023年8月現在、5,000円であれば5人乗りのレンタカー、7,000円であれば7人~8人乗りのレンタカー、10,000円であればハイエースを含むほとんどの国産車のレンタカーを借りる事が可能なはずです。地域や繁忙期は考慮しておりません。
不慣れな車は不安だ、という方は、7000円のレンタカー特約をつけて5000円クラスのレンタカーに免責保障やNOC保障を付ける事で、レンタカーでの事故の際のご負担が無くなります。
詳しくは、レンタカー特約のお得な使い方の記事で記載しています。

人件費や車両価格の高騰などで状況は変わるかもしれませんが、ご自身のお車の利用状況や必要な装備等を考慮して、レンタカー特約をグレードアップしても良いかもしれません。
特殊な例ですが、前述の通り冬は必ずスタッドレスにするという場合、日額5,000円ではスタッドレス付のレンタカーが借りられないかもしれません。
面倒ですが、冬になったらレンタカー特約をグレードアップ、春にはグレードダウン、というのも選択肢に入るかもしれませんね。

こういったアドバイスは、保険代理店でもあまりしていないかもしれません。
彼らは契約内容の説明を行うプロであって、特に修理に関わる特約等の実際の使用に関しては鈑金塗装工場の方が知識がある、と佐野は考えています。
レンタカー特約に対してここまでしっかりとした説明を行える代理店の方がいらっしゃれば、信頼に足るのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

shusukesano
shusukesano
2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。

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