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レンタカー特約が自動付帯となり、以前よりも代車が無くて困るという方は少なくなったように思います。
レンタカー費用等不担保特約をつける(自動付帯となったレンタカー特約を無くす)事は、どのような方にどのようなメリットがあるのでしょうか。
レンタカー特約やレンタカー費用等不担保特約の内容は各損保で若干異なるため、詳しくはご契約の損害保険会社にご確認いただかないといけませんが、どのような方にレンタカー費用等不担保特約のメリットがあるのか、記載していきます。
メリット:保険料が安くなる
レンタカー費用等不担保特約のメリットは、保険料が安くなるの一言に尽きます。
では、どういう方にレンタカーが不要なのでしょうか。
・車を毎日使うわけではなく、公共交通機関等で代替可能である
念のため車を所有しているが、使用頻度が低く車がなくても問題無い方はレンタカー費用等不担保特約をつけても良いと思います。
・仲の良い工場で無料代車を借りられる
こちらは、お盆前や年末年始などの時期ですと、代車が出払っていてすぐ借りられない可能性がございます。
・自分の車以外を運転したくない
慣れ等の問題で、自分の車以外を運転したくない場合、レンタカーで同じ車種が豊富にある場合以外はレンタカー費用等不担保特約をつけても良いと思います。
どれくらい保険料が安くなるのかや、共済さんのレンタカー特約は使いづらいものもあるので、金額と内容を考慮してレンタカー特約を除いても良いと思います。
デメリット:車が無い期間ができる場合がある
レンタカー特約が自動付帯になると、弊社のように無料代車のある工場に依頼する場合でも、メリットがあります。
無料代車を多く抱えている工場であれば、事故を起こしてすぐのタイミングでは代車が出払ってしまい無かったとしても、標準的な自動付帯のレンタカー特約である15日間の間に戻ってくるケースが多いと思います。
つまり、レンタカー特約が無い場合、修理に出すと車が無い期間ができると言えます。
複数台の車両をお持ちで、1台なくても大丈夫、という方にとっては、大きなデメリットではないかもしれません。
レンタカー費用等不担保特約について計算をしてみる
では、メリットとデメリットをどのように計算すると良いでしょうか。
不担保とするメリットは年間数千円です。
事故率は損害保険料率算出機構の2022年度自動車保険統計によると、自家用乗用車の任意保険契約件数32,531,056件に対し、支払い件数は2,391,507件のため、7.35%となります。契約件数と支払い件数は省きますが、車両保険は5%、対物保険で2.65%となり、2022年8月~2023年7月の弊社統計である実費作業率は約40%であること、任意保険未加入率等を鑑みると、おおむね「事故は10年に1回説」(事故率10%程度)は妥当と言えます。
レンタカー特約は損保によって内容が異なりますが、東京海上日動火災保険(株)さんのレンタカー特約は「修理中のレンタカー費用の保証」となっておりまして、故障でもレッカー搬送が必要な場合はレンタカー特約が使用できます。
ソニー損保さんではレンタカー特約のみ使用する事が出来ること・等級は下がらない事が明記されていることから、車両保険を使用しない場合でもレンタカーをデメリット無しで使えます。ただし故障では使えません。
どちらも、(契約時期によりますが)レンタカーを借りなくても良い場合は代替交通手段の費用を負担してもらえます。
損保により内容が若干異なるので、「どの損保でも同じでしょ」と思われがちですが若干異なりますね。
私が知る中で最も使いにくいのは「事故日から30日間まで」のレンタカー特約で、どこかの共済さんだったと思います。修理に出すまで1-2週間かかると、実質2-3週間しか保証されません。
弊社の場合、小型車又は軽自動車の無料代車が戻るまでの日数は長くても15日程度とすると、レンタカー特約を一度使った場合に出してもらえる保険金は75,000円です。
単純計算をすれば、レンタカー費用等不担保特約により保険料が7,500円以上お安くなり、代替交通手段が安価な方はメリットがあるでしょう。
運転頻度にもよりますが、20等級に近い方の多くがレンタカー特約を付帯するメリットが大きいように思います。
レンタカー特約をグレードアップするメリット
最後に、レンタカー特約の日額を5,000円30日、7,000円30日、10,000円30日とグレードアップするメリットについて解説します。
ご自身で一般顧客として借りる場合よりも、保険会社や板金塗装工場の方がお安く借りられる場合があるため、一般料金で考慮すると「大手レンタカー会社では借りられないじゃないか」となる方がいらっしゃるかもしれません。
2023年8月現在、5,000円であれば5人乗りのレンタカー、7,000円であれば7人~8人乗りのレンタカー、10,000円であればほとんどの国産車のレンタカーを借りる事が可能なはずです。地域や繁忙期は考慮しておりませんが、たぶん大丈夫です。
人件費や車両価格の高騰などで状況は変わるかもしれませんが、ご自身のお車の利用状況や必要な装備等を考慮して、レンタカー特約をグレードアップしても良いかもしれません。
特殊な例ですが、冬は必ずスタッドレスにするという場合、日額5,000円ではスタッドレスのレンタカーが借りられないかもしれません。面倒ですが、冬になったらレンタカー特約をグレードアップ、春にはグレードダウン、というのも選択肢に入るかもしれませんね。
こういったアドバイスは、保険代理店でもあまりしていないかもしれませんので、時期によって必要な装備がある方はこれらを考慮する必要もあると思います。
保険会社や代理店、ディーラーがあまりアドバイスしていないレンタカー特約のお得な使い方はこちらの記事へどうぞ。
投稿者プロフィール

- 2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。
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