「毎日車を使うので、車が走れなくなったらすぐに代車を出してもらえる工場に依頼したい」
という需要は多いものの、無料代車が常に空いているという工場は少ないと思います。
2023年現在、多くの損保でレンタカー特約は自動付帯(レンタカー費用等不担保特約による実質的なレンタカー特約の解除は可能)となっておりますので、レンタカー特約のご契約者が増えているとご認識していただいても良いでしょう。
弊社も含め多くの修理工場では無料代車をご用意しておりますが、「レンタカー特約なんて契約しなくても大丈夫」といえるほど常に当日からお出しできる状態ではありません。年末年始やお盆などの大型連休前や繁忙期、天災による修理需要増加後などは次の予定まで埋まっている事も多く、代車提供まで2週間以上いただくタイミングもございます。そのため、いつもお願いしている修理工場が無料代車をたくさん所有していたとしても、レンタカー特約に入っていると安心です。
となり、自動付帯は多くの場合5,000円/日が15日、グレードアップしたレンタカー特約として別途付帯する場合は30日間まで日額5,000円、7,000円、10,000円という契約内容が選べる事が多いとおもいます。
例えば東京海上日動火災保険株式会社さんの場合ですと、レンタカーを借りる前に事前の連絡が必須となります。基本的には、事故報告の時にレンタカーの手配について確認が入ると思います。
だれも教えてくれない「レンタカー特約のお得な利用法」
多くの保険会社・レンタカー会社が教えてくれない、レンタカー特約の活用法がございます。
例えば日額5,000円のレンタカー特約をご契約の場合、日額4,000円のレンタカーにオプション(例:免責補償)をつける、という事が可能です。
(同様に、日額7,000円の契約で5,000円のレンタカーに2,000円分のオプション、例えば免責補償とNOC保障を付けて1回の事故での出費を0とする事も可能です)
弊社では過去、日額7,000円でご契約の方に5,000円程度のレンタカーが出ていたので、免責補償を追加してもらうようレンタカー会社に確認してOKが出た経験がございます。保険会社との契約内容によってNGが出る場合がございますので確認が必要ですが、ここまでお客様目線での対応をする修理工場はまだあまり無いようですので、ご自身で確認・金額上限まで使い切る方が確実です。ご自身で行う場合はレンタカー会社、又は保険会社にご確認いただくか、修理を依頼した工場にこの記事を見せてみてください。
ただし、レンタカーで事故を起こしてから免責保障をつけてくれ、というのは出来ないと思います。
極論を言えば、ご自身が軽自動車にお乗りの場合でも、日額10,000円の契約であればハイエースやアルファードが手配できる場合もあると思います。金額以内であればスタッドレスタイヤをつけるなど、レンタカー会社のオプションを自由に選べるはずです。
特約の費用をお支払いいただいているご契約者様には、契約している最大金額までオプションをつける権利がございます。
何かあってからでは遅いので、早めに確認してみましょう。実はこういったご提案は、保険会社やレンタカー会社からされるケースは聞いたことがありません。
被害事故で出ているレンタカーではどうなのか
例として、「アルファードに乗っていて被害事故があり、修理期間はヤリスでも構わないが免責保障とNOC保障をつけてほしい(事故があっても自己負担無しにしたい)」という話を加害保険会社側にする場合、話が通るケースはございます。
これは、保険会社が総額でメリットのある内容かどうかを検討するためだと推測しています。
修理期間中最低限必要な車種にすることで、事故による自己負担リスクを減少させられる場合があります。
レンタカー特約をお得に使う方法まとめ
・毎日車を使い、交通代替手段が無い(バス等では済まない)のであれば、レンタカー特約の付帯をお勧めします
(複数台のお車をお持ちで、1台なくても使用に問題が無い場合は特約は不要だと思います)
・レンタカー特約を使う時には、免責保障等を付帯出来る車種もあります
(2023年現在、価格転嫁もあってか難しい車種もございますが、場合によっては5,000円/日でも可能です)
・金額の上限まで使い切れるよう、レンタカー会社にオプションをつけられるか確認してみましょう
自動車保険の約款をしっかり読んで契約される方は少ないかと思いますが、ほとんどの保険会社ではWEB約款という形で見る事が可能で、紙の約款と比べ、検索やハイライトも可能です。
ご自身で契約の約款を読む事で、レンタカー特約の意外な活用法が隠されている場合もございます。
約款は契約内容を示すものですので、約款に書かれた事を保険会社が履行しないのは保険業法違反となります。
レンタカー会社も単価が上がればうれしいので、断る理由もありません。
保険料として支払っているレンタカー特約を有効活用していただきたいと思います。
また、2023年8月に自動付帯のレンタカー特約を除くための特約であるレンタカー費用不担保特約について記載した記事もございますので、宜しければお読みください。
投稿者プロフィール

- shusukesano
- 2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。
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