車両保険は契約内容によって若干の違いがございますが、
被害事故の場合は全て民法709条の損害賠償という考え方を基に、その損害の金額が支払われます。
その使用用途は車両保険金同様、自由となります。
受け取ったお金の中から一部だけ修理しても、全部修理しても、修理しないでお金だけ受け取っても大丈夫です。
今回は、お金だけ受け取りたい方向けのお話です。
事故にあったけど見た目にはキズが無いケースも記事にしましたので、併せてご確認ください。
最終更新日:2025/11/15
基本的には車両保険と”ほぼ”同じ
車両保険は修理代が支払われるとされますが、(約款に記載されている)契約内容により車両保険の支払い内容として認めていない内容があるため、被害事故(=損害賠償)の方が金額は大きくなる傾向にあります。
例えば、事故前の状態に戻す事を損害の補填と考える場合、車両保険では「この年式だからこれぐらいまで戻すのが妥当」という考え方や、特約や約款に基づいて支払えるものや支払えないものが異なるケースがございます。
(例えば社外品やステッカー、コーティングなど、車両保険では認められないケースが発生する場合があります。しかし、保険会社は自社の顧客の契約年の約款も確認せず、基本的に支払わないと説明する事もありますので、特に否定された時にはしっかり内容を確認する必要があります)
被害事故の場合は、事故前の状態に戻すための作業に関わる金額について、そのほとんどが支払われるはずです。
車両保険でお金を受け取りたい場合と同様、修理をせずに見積りや保険会社との金額を決定する協定を引き受けてもらえない場合や、無料で引き受けてもそれなりの結果で十分という考えの工場もあるでしょう。
ボデーショップ佐野では、相談は無料で、僅かな手数料をいただいて”協定まで行う見積り”を承っております。
埼玉県新座市までお越しになれる方は、ご予約の上来店いただけますと、実態に沿った内容でご相談に乗ります。
損害賠償のお金だけもらう場合の流れ
修理工場に依頼する場合
修理工場に依頼する場合は、損害賠償のお金を受け取って修理をしない旨を事前にお伝えしましょう。
その際、断られる場合もあると思いますが、断られるだけ良い方かもしれません。
工場側が断りづらいからと、無償で見積もり・協定をする場合は、時間をかけないように無責任な見積書で投げやりな協定をするかもしれません。
損害確認から見積もり作成、保険会社との打ち合わせや資料送信・協定まで、小さな案件でも見落としが無いようしっかり取り組めば1時間程度はかかるでしょう。それが1円にもならないとなれば・・・よほど協定にプライドがあるか、常連のお客様でなければ、さほど時間をかけたくないのが実情でしょう。
修理しない旨を伝えずに見積書の作成を依頼し、「これだけかかるなら、修理せず買い替える事にします」という方ももちろんいらっしゃいます。しかし、その段階で協定を依頼しても、買い替える先がその店舗でない場合は引き受けていただけない場合も考えられます。
あらかじめ修理をしない事が明らかであれば、そのニーズを伝えた方がお互いに無駄な時間を使わず、気持ちよく対応が出来ると思います。
外注先に見積もりや作業、協定等全て依頼しているディーラーや量販店、中古車販売店などの場合、そお金だけもらうというのが出来るかどうかという確認に時間がかかるケースもございます。
その店舗で買替をする場合以外は出来ないケースが多い印象です。
修理工場に”協定を含む見積料”を払った方が良い理由
ボデーショップ佐野は、内容に応じた協定を含む見積料を頂くことで、時間をかけてしっかりと見積書の作成と保険会社との打ち合わせを行います。
もしお時間に余裕があれば、弊社だけでなく複数の工場でお見積りを取った方が良いと思います。
多くの方が「どうせ保険を使うのだから、キレイに修理してほしい」と考えるように、「損害を補填するお金は多い方が良い」と考えるでしょう。
時間があれば複数の工場でお見積りを取っていただいた方が良い結果になるかもしれません。
事故修理の見積もりというものは、100万円クラスの見積もりを100人のフロントマンが行うと同じ見積書が無いと言われるくらいに、考え方や工場ごとの方針、作業や部品に対する考え方の違い(何をもって復元とするかの違い)、場合によっては使用する材料や塗料の種類でも金額が異なります。
しかし、見積りの金額が高いから協定金額が高くなるわけではありません。
その見積もり金額が、保険会社にとって突っ込みどころ満載の高すぎる見積書等である場合、実際に支払われる金額は減額される事もあります。
適正な作業、適正な部品から適正な損害額が算出されるのです。
ボデーショップ佐野のように有料で協定を含む見積料をいただいている工場であれば、工場内でのダブルチェックはもちろん、時には1時間以上かかる保険会社との協定もしっかり行います。
無料で協定を行うという工場の場合、その見積りや協定に時間をかけるほど赤字です。
よほどのプライドがなければ、保険会社との協定に時間をかけないと想像がつきます。
相手が100%悪い場合の一例(ドアパンチ)
相手が100%悪く、軽微な損害で損害額の請求のみを行いたい場合でも、ぜひご相談ください。
例えば、強風によってドアが想定より開いたために隣の車にキズをつけてしまう、ドアパンチと呼ばれる事故の場合、
・国産車で10万円以上
・外車で15万円以上
の修理代になる事がほとんどです。
もちろん、色や損傷個所(当たり所))、キズの深さや凹みの有無、装備やオプション、エーミングの有無、コーティングの有無によっても増減します。
ドアパンチ程度の軽微な損害であれば、多くの方が「とりあえずお金だけもらって、他のキズが増えたら直す」という事も考えられるのではないでしょうか。
(見積りを出してから期間が空くと、工賃の値上げや部品代の改定により同じ金額で修理が出来ない可能性があります)
僅かに過失があり、相手の方が悪い場合
例えば、ご自身の過失が1割、相手が9割、双方50万円ずつの損害の場合、
相手から(50*0.9=)45万円もらって、こちらが(50*0.1=)5万円を支払います。
結果として、相殺して40万円もらえる、という事となります。
修理内容を変更する事で、予算を40万円に抑えて修理できるケースもございます。
過失があり、自分の方が悪い場合
例えば、ご自身の過失が7割、相手が3割、双方50万円ずつの損害の場合、
相殺して15万円もらえる、という事となります。
車検に必要な部分や自走可能な状態に戻すだけなら20万円で直る、という場合もございます。
過失に納得がいかない場合は、弁護士への相談がお勧めです。
保険会社は、間違った知識や、判例の中で保険会社に有利な部分を抜粋して説明する場合もございます。
弁護士特約がなければ、無料の法律相談が可能な場合もございます。
特約があれば個別のご相談を受け、過失が妥当なのかご確認いただくのが良いと思います。
まとめ:損害賠償はお金で支払われる
- Q: 被害事故で修理をせずにお金だけ受け取ることは可能ですか?
A: はい、損害賠償は金銭で支払ってもらうことが出来るため、修理をしなくても保険金を受け取れます。 - Q: 修理をしない場合でも見積もりは必要ですか?
A: ほとんどの場合必要です。修理工場で協定を含む見積もりを作成し、保険会社と金額を確定します。 - Q: 保険会社から、見積もりはこちらで出すので手間はかからないと言われましたが、なぜですか?
A: 多くの場合、保険会社の出す見積もりは修理工場の作成する見積もりより安いため、支払い保険金が安価となる確率が高いのだと思われます。 - Q: 協定見積もりとは何ですか?
A: 保険会社と修理工場が金額を協定し、損害賠償額を確定するための見積もりです。 - Q: 修理をしない場合、工場に依頼するメリットはありますか?
A: はい、工場が保険会社との交渉を代行し、適正な損害額を協定してくれます。 - Q: 無料で協定見積もりをしてくれる工場はありますか?
A: 一部ありますが、時間や手間がかかるため有料対応の工場も多く、無料だと手間を省いて協定結果が変わる可能性もあります。 - Q: 相手が100%悪い場合でもお金だけ受け取れますか?
A: はい、損害賠償は金銭で支払われるため可能です。ただし損害の立証に見積もりが必要です。 - Q: 過失割合がある場合はどうなりますか?
A: 自分の過失分を差し引いた金額が支払われます。例:過失1割なら損害額の90%が受け取れます。相手への修理費が相殺される場合もあります。 - Q: 修理を後回しにすると問題はありますか?
A: 部品代や工賃が値上がりすると、受け取った金額で修理できない可能性があります。 - Q: 保険会社が支払いを拒否することはありますか?
A: 今回の事故の損害範囲に見解の相違がある場合、支払いを拒否される箇所が発生するケースはございます。協定後支払いを拒否するケースはほとんどありません。 - Q: 弁護士に相談した方が良いケースはありますか?
A: 過失割合に納得できない場合や金額に争いがある場合は弁護士相談がおすすめです。
保険会社が直接修理工場に振り込みを行うケースが多くなりましたが、
本来は金銭で支払われるのが損害賠償ですので、修理はあくまで選択肢の一つです。
多くの工場では、修理機会の喪失は売上の低下と捉え有償・無償を問わず対応しない、という事もまだ多いと思います。
様々な要因によりこういったサービスが一般的になる可能性もございますが、まずは一度、ボデーショップ佐野でブログ記事を書いている、佐野までご相談くださいませ。
投稿者プロフィール
- 2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。
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