被害事故で修理せずお金だけもらいたい場合のベストな依頼方法

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車両保険は契約内容によって若干の違いがございますが、
被害事故の場合は全て民法709条の損害賠償という考え方を基に、その損害の金額が支払われます。

その使用用途は車両保険金同様、自由となります。
受け取ったお金の中から一部だけ修理しても、全部修理しても、修理しないでお金だけ受け取っても大丈夫です。
今回は、お金だけ受け取りたい方向けのお話です。

事故にあったけど見た目にはキズが無いケースも記事にしましたので、併せてご確認ください。

基本的には車両保険と”ほぼ”同じ

車両保険は修理代が補填されますが、保険会社が車両保険として認めていない(約款に記載されている)内容があるため、被害事故(=損害賠償)の方が金額は大きくなる傾向にあります。
例えば、事故前の状態に戻す事を損害の補填と考える場合、車両保険では「この年式だからこれぐらいまで戻すのが妥当」という考え方や、特約や約款に基づいて支払えるものや支払えないものが異なるケースがございます。
(例えば社外品やステッカー、コーティングなど、車両保険では認められないケースが発生する場合があります。しかし、保険会社は自社の顧客の契約年の約款も確認せずに基本的に支払わないと言う事もありますので、しっかりと確認する必要があります)

被害事故の場合は、事故前の状態に戻すための作業に関わる金額はほとんど支払われるはずです。
(ほとんど、というのは、実際に使わないと費用が出ないレンタカー等、たとえ修理に最低でも1週間はかかる場合でも、修理をせず1週間分のレンタカー費用が貰えるわけではありません)

車両保険でお金を受け取りたい場合と同様、修理をせずに見積りや保険会社との金額を決定する協定を引き受けてもらえない場合や、無料で引き受けてもそれなりの結果で十分という考えの工場もあるでしょう。
ボデーショップ佐野では、相談は無料で、僅かな手数料をいただいて”協定まで行う見積り”を承っております。

損害賠償のお金だけもらう場合の流れ

修理工場に依頼する場合は、損害賠償のお金を受け取って修理をしない旨を事前にお伝えしましょう。
無料では行っていない、有料のメニューとしても無いと断られる場合はまだマシかもしれません。
断りづらいからと嫌々見積もり・協定をする会社は、時間をかけないように無責任な見積書で投げやりな協定をするかもしれません。
(保険会社との金額確定まで、1時間~2時間、それ以上かかるケースもございます。1円にもならないとなれば・・・よほど協定にプライドがなければ、時間をかけたくないのではないでしょうか)

見積書を受け取って、「これだけかかるなら、修理せず買い替える事にします」という方ももちろんいらっしゃいます。しかし、その段階で協定を依頼しても、買い替える先がその店舗でない場合引き受けていただけない場合も考えられます。
あらかじめ修理をしない事が明らかであれば、そのニーズを伝えた方がお互いに気持ちよく対応が出来ると思います。

外注先に見積もりや作業、協定等全て依頼しているディーラーや量販店、中古車販売店などの場合、そお金だけもらうというのが出来るかどうかという確認に時間がかかるケースもございます。
その店舗で買替をする場合以外は出来ないケースが多い印象です。

修理工場に”協定を含む見積料”を払った方が良い理由

ボデーショップ佐野は、内容に応じた協定を含む見積料を頂くことで、時間をかけてしっかりと見積書の作成と保険会社との打ち合わせを行います。

もしお時間に余裕があれば、弊社だけでなく複数の工場でお見積りを取った方が良いと思います。
多くの方が「どうせ保険を使うのだから、キレイに修理してほしい」と考えるように、「損害を補填するお金は多い方が良い」と考えるでしょう。

時間があれば複数の工場でお見積りを取っていただいた方が良い結果になるかもしれません。
事故修理の見積もりというものは、100万円クラスの見積もりを100人のフロントマンが行うと同じ見積書が無いと言われるくらいに、考え方や工場ごとの方針、作業や部品に対する考え方の違い(何をもって復元とするかの違い)、場合によっては使用する材料や塗料の種類でも金額が異なります。
しかし、見積りの金額が高いから協定金額が高くなるわけではありません。
その見積もり金額が、保険会社にとって突っ込みどころ満載の高すぎる見積書等である場合、実際に支払われる金額は減額される事もあります。
適正な作業、適正な部品から適正な損害額が算出されるのです。

ボデーショップ佐野のように有料で協定を含む見積料をいただいている工場であれば、工場内でのダブルチェックはもちろん、時には1時間以上かかる保険会社との協定もしっかり行います。
無料で協定を行うという工場の場合、その見積りや協定に時間をかけるほど赤字です。
よほどのプライドがなければ、保険会社との協定に時間をかけないと想像がつきます。

相手が100%悪い場合の一例(ドアパンチ)

相手が100%悪く、軽微な損害で損害額の請求のみを行いたい場合でも、ぜひご相談ください。

例えば、強風によってドアが想定より開いたために隣の車にキズをつけてしまう、ドアパンチと呼ばれる事故の場合、
・国産車で10万円以上
・外車で15万円以上
の修理代になる事がほとんどです。
もちろん、色や損傷個所(当たり所))、キズの深さや凹みの有無、装備やオプション、エーミングの有無、コーティングの有無によっても増減します。

ドアパンチ程度の軽微な損害であれば、多くの方が「とりあえずお金だけもらって、他のキズが増えたら直す」という事も考えられるのではないでしょうか。
(見積りを出してから期間が空くと、工賃の値上げや部品代の改定により同じ金額で修理が出来ない可能性があります)

僅かに過失があり、相手の方が悪い場合

例えば、ご自身の過失が1割、相手が9割、双方50万円ずつの損害の場合、
相手から(50*0.9=)45万円もらって、こちらが(50*0.1=)5万円を支払います。
結果として、相殺して40万円もらえる、という事となります。

40万円以内で直したいという事も可能ですし、修理しないという選択肢や、一部のみ修理するという事も可能です。

過失があり、自分の方が悪い場合

例えば、ご自身の過失が7割、相手が3割、双方50万円ずつの損害の場合、
相殺して15万円もらえる、という事となります。

過失に納得がいかない場合は、弁護士への相談がお勧めです。
弁護士特約がなければ法テラス等への相談が良いでしょう。
特約があれば個別のご相談を受け、過失が妥当なのかご確認ください。

まとめ:損害賠償はお金で支払われる

保険会社が直接修理工場に払うようになったので、実に分かりづらい事になっておりますが、
本来は金銭で支払われる損害賠償を、利便性のために修理工場に直接支払う方法が定着しました。

どんな利便性かと申しますと、修理工場に直接支払う事で”示談が進んでいない等、修理代が支払えない”状況でも修理工場に修理費を立て替えてもらう必要がなくなる、という事となります。
修理工場側は、保険会社から支払われる事が分かっているため、立て替えていただく必要なく納車が可能となる工場は多くなります。
それでも様々な理由で修理工場に支払われないケースがあるため、納車前に修理代の一部又は全部をお預かりしないと納車出来ない、という工場もございますので、事前に確認した方が良いでしょう。

いずれにしても、修理をしない場合はお客様に支払われます。
(全損等で買替となり修理をしないケースでも、修理をせずに支払われていますよね)
車両保険同様、協定を含んだ見積もりのメニューを用意していないために依頼を受け付けない工場もまだあると思います。
遠方でも対応可能な場合がございます。
宜しければボデーショップ佐野までお問い合わせ・ご相談くださいませ。

投稿者プロフィール

shusukesano
shusukesano
2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。

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