事故にあった!けど見た目には傷が無い場合の3つのケース

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確かに車両が接触したけど、見た目には問題が無いように見える。

という案件のご相談を受ける事もございます。
一般的に見てキズが無いので、加害者側も「大したことない、なぜそんなに修理費がかかるのか」というお話になりやすいのですが、鈑金塗装工場で見てもらうと損害を確認できる場合がございます。

被害事故で修理せずにお金だけもらう方法についても記事にしていますので、併せてご覧ください。

ケース1「タイヤだけだと思ったらバンパーもぶつかっていた」

タイヤに接触したのは分かるんだけど、どこにぶつかったかは分からない。
というご相談でご来店されたお客様に対し、まずはタイヤの接触痕をご説明します。
そして、タイヤ周辺の左右の隙間(ちり)を確認します。

右テールランプ、右リヤフェンダー、リヤバンパーの隙間を確認し、左右ほぼ同じながらも若干右の方が隙間が広い事が分かりました。
このあたりは、車両ごとの個体差があり、新車でも若干右側が広いという事が考えられます。

そして、タイヤとリヤバンパーとの間隔が左右で異なる事を発見しました。

その場で簡易的に計測するために、指が何本入るか、その隙間はどれくらいかを見る場合があります。
主な箇所はリヤバンパーの一番下やボルト等がある箇所で、左右の高さが同一であると思われる高さでタイヤとの距離を見ます。
ボルトの高さで、損害のある右側は3本、左側は2本と少しの隙間でした。3本は入りそうにありません。

よく見ていくと、バンパーの泥除けに小さな擦過痕があり、比較的新しいためここで押し広げているのだろうと予測しました。

ケース2「自転車にぶつけられて、見た目にキズがなかったから警察を呼ばなかった」

自転車にぶつけられた場合、車両が動いていなかったとしても警察を呼んだ方が無難です。
しかし、実際には夜間や急いている場合などで、パッと見キズが無いのでその場で示談するようなケースもあると思います。

後日お客様が弊社に来店され、良く見たらキズがある、という場合もございます。
もちろん、大きな損害ではないため許容できるキズの場合もございますが、最近の車両は安価な部品の交換のみでも再設定やエーミングが必要な場合なども考えられ、想定以上の見積もり額になるケースも散見されます。

警察を呼ぶ理由は、自転車側が後日「車にぶつかったけど首が痛い、相手の車両は警察を呼ばずに行ってしまった。ナンバーは控えている。」となった場合、自動車側が被害者なのに”ひき逃げ”として扱われる可能性があるためです。
(佐野は、自転車にぶつけられて逃げたられたので警察に相談の連絡を入れたら上記のような話をいただきました)
急いでいる内容にもよりますが、相手が逃げていないのなら可能な限り警察を呼びましょう。警察を呼ぶ時間が無い場合、可能な限り書面で示談のやり取りをするようにしましょう。

ケース3「相手の態度が気に食わない」

損害の見た目は大きくない事が理由で、加害者が被害者を怒らせる場合がございます。
よく聞くのは、「キズは無いみたいだね」「大した凹みじゃない」など、加害者側が損害に対して大小を決めつけるもので、被害者の心情を無視した発言により円満な解決が出来なくなる事がございます。

キズの大小は損害に関係ありません。損害を立証するのは加害者ではなく被害者であるため、加害者側が何を言ってきてもその言葉に意味はありません。
民法709条に基づき、損害を立証してその損害額を請求をするだけです。

損害額を決めるためにはディーラーや板金塗装工場にご相談される方が多いと思いますが、ボデーショップ佐野では修理をしない場合でも、損害額の見積もり作成費用と、保険会社との協定費用をいただく事で損害の立証のサポートをさせていただいております。

「相手の態度が悪かったので高めの損害見積書を作成してほしい」という声をたまにいただきますが、お応えできません。
しかしながら、塗装材料費の高騰、人件費の高騰等の価格転嫁を進めておりますので、保険会社の考えている埼玉の平均的な金額よりは高くなっております。

例えば、バンパーの損害で塗装色の部分ではない箇所にキズがある場合、多くは交換となりますので国産車でも5万円~10万円になります。キズが僅かであっても、損害は損害です。
「こんな小さな傷、交換の必要はない」と加害者が言ったとしても、これは反証にはなりません。
反証というのは、「修理によって新品同様に復元が可能な箇所で、交換費用よりも安価であるため修理が妥当です」「この傷は事故前からあったものと考えられ、今回の損害ではありません」というものになるでしょう。

まとめ:困った時は修理工場に相談してみましょう

見た目であまり損害が分からないという場合、事故の対応経験が少ないディーラーや販売店の営業マンですと、損害が見つけられない場合や、見積りが出来ない場合があると思います。

困った時はボデーショップ佐野はもちろん、鈑金塗装を実際に行っている工場にご相談した方が、お力になってくれると思います。
その際に、最終的にどうしたいのか、直したいのか、直したくないのか伝えた方がスムーズです。
ご相談、ぜひお待ちしております。

投稿者プロフィール

shusukesano
shusukesano
2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。

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