事故修理における”過失割合”と負担額の例

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本記事では、鈑金塗装工場の目線で過失割合を解説致します。

過失割合で検索すると、保険会社のサイトで説明が出てきますね。
もちろん、内容は正しいので、過失割合がどのようなものかは検索で上位に出てくるものをご確認いただきたいと存じます。

過失割合がある場合の負担額

過失割合がある場合に修理代がどうなるかというと、
・当事者Aの損害額
・当事者Bの損害額
を足した、1つの事故の損害額の合計に対して、過失割合(%)を乗算します。

例えば、
・Aの車両の損害額が50万円で過失2割
・Bの車両の損害額が50万円で過失8割
という場合、
Aの本事故による負担額は(50+50)*0.2=20万円
Bの本事故による負担額は(50+50)*0.8=80万円
となります。

そのため、多くの保険会社が修理前に概算金額を確認しますが、預かってすぐに聞いてくるので実際の修理にかかった額と差が出るケースもございます。
昨今の車両はパッと見た目で損害額が判断できるほど昔より単純な構造や機能ではなく、部品価格もメーカーによってはコロナ過以降高騰しておりますので、概算金額と精査した見積もり額が異なっても工場を怒らないで下さい。
トラブルの元になるので、ボデーショップ佐野では概算金額を伝えない場合がございます。

上記の例ですと、Aの負担額は20万円なので、保険を使った場合の保険料の上昇具合によっては保険を使わない選択肢が生まれます。

車両保険に入っていない場合の過失割合の負担額

上記の例ですと、
相手から支払われる金額は
・AはBに50*0.2=10万円を支払う
・BはAに50*0.8=40万円を支払う
となります。

Aが車両保険に入っていない場合、Bへの負担額のみ保険で賄われますので、対物保険を使っても10万円しか保険の効果が無い事となります。
3等級ダウンの契約内容であれば、保険を使わない方が良いケースがほとんどでしょう。

例えばAが車両保険も対物保険も使わない、となった場合は、過失割合で相殺して最終的に30万円入ってくるので、50万円分の修理をせず30万円分の修理で済ませる(一部修理を諦める、または質を落とす等)ことも可能です。

損害額には、”車を直す修理代以外”もある

お怪我をされている場合や、レンタカーを使っていて弁護士が介入し過失割合分のレンタカー費用を認めている場合、こういった費用も損害額となります。
そのため、保険を使いたくない契約者が「相手の損害額に対する文句」や「レンタカー使用に難色を示す」といった事も考えられます。

その他、間接的な損害があればそれも認められる場合があります。

多くの事故は、保険会社の介入によって裁判まで行わずに解決する事が多いですが、その関係もありまして、特に過失割合がある場合、修理代以外の損害額は抑えられる傾向にあります。
弁護士が介入する事で本来の損害額の請求がある(保険会社同士のみの場合に比べ大きくなる)場合がございますので、示談が終わるまでは保険を使う・使わないという判断が難しいかもしれません。

まとめ:困ったら鈑金塗装工場・保険会社・弁護士に相談

全ての情報を入手できない事もあり、鈑金塗装工場サイドでのご提案には限界がございますが、多くの案件に携わっているため保険会社よりもよりお客様目線でのご提案ができる場合がございます。

また、相手の件も含め保険会社が把握している情報の方が多いため、特にご自身のご負担額等については保険会社の方が詳しいケースがございます。

弁護士特約(弊社推奨の特約です)に加入していれば、弁護士に依頼する事で時間や手間は増えますがご自身にとってよりメリットのある情報の入手が可能な場合がございます。

いずれにしても、一度ボデーショップ佐野までご相談いただければ、ケースに応じた修理方法等をご提案できる場合がございます。
修理をしない場合でも、僅かな見積もり費用で協定まで行う事も可能です。

投稿者プロフィール

shusukesano
shusukesano
2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。

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