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埼玉県新座市に工場を構えるボデーショップ佐野では、業界に関する情報を多数記事にしております。
隣接する朝霞市・志木市・和光市・所沢市や、東京都練馬区・西東京市のほか、都内のディーラーを含むお取引先からもご依頼をいただいております。

今回は、「完全な修理をしないと保険金が支払えないと保険会社に言われたこと」についての記事となります。
保険会社と揉めた内容で、国交省にも通報し、保険会社から謝罪の連絡もございました。

結論としては、「保険会社の社内規定に困ったら、しかるべきところに連絡しましょう」という内容になります。

■保険会社の社内規定とは?

自動車修理では、被害事故による対物保険、ご自身に過失のある車両保険の使用など、ご実費での修理よりも保険を使っての修理というものが多くございます。
修理工場によって様々ですが、保険修理が5割以上という工場も多いでしょう。

すると当然、毎日のように保険会社の方とお話をさせていただき、約款や契約関係についても詳しくなるのですが、保険会社はあたかもそれが当然であり契約者全てが理解しているか、社内規定に従えない契約者は普通じゃないという烙印を押すかのごとく、自社の社内の規定を押し付けてくることがあります。

■契約者側のよくある勘違い

特に車両保険を使われる場合、契約者であるカーオーナー・カーユーザーの方の考えと、実際にお金を出す保険会社の考えが異なる場合がございます。
例えば、契約者の方で起こりやすい勘違いの例として、

  • 一度の保険使用による修理ですべての箇所が綺麗に直る
  • 保険を使えばすべての望んだ修理方法で修理してもらえる
  • 小さな傷でも交換を望めば交換してもらえる
  • ついでに他の部分も直してもらえる

などがございます。
きちんと約款を読んで契約されていればこのような勘違いは起きないのですが、あの長ったらしい専門的な用語ばかりの約款を全てしっかり読み込んで契約される方は非常に少ないと思いますし、
保険代理店の方なども全て理解していない方も多いでしょう。

その理由としては、契約年月日によって内容が若干異なるからです。
大きく変わった場合には知らされるかもしれませんが、小さい変更は知らされない事も多いと思います。
去年と同じ内容で契約した、と思っていても、初めて保険契約をしたときと直近で更新した保険の約款が全く同一、という事はあまり無いはずです。
もし代理店の方が毎年の約款の変更内容を教えてくれていたら、それは非常に優秀な方だと思います。

■約款と社内規定の違い

当然ですが、契約者が保険契約をするにあたり確認する事になる契約時の約款と、
保険会社の社内規定ではその趣が全く異なります。

約款は、守っていなければ金融庁が怒る内容になりますので、保険会社としても約款に無い事を強制したり、約款にある事を守らないという事は出来ないと考えられます。

実際には、保険会社内の規定をまるで約款のように説明している事も多々あると思いますが、
本来であれば、保険会社内のルールは契約者が従う必要が無いものと考えられ、然るべき場所に苦情を言うと改善される可能性もあります。

■社内規定の一例「完全な修理をしないと保険金は支払えない」

最近揉めて謝罪を受けた内容は、
「車両保険価額を超える事故(全損事故)で、保険会社が車両引き上げをせずに契約者がご修理を希望される場合、完全に修理してください」
と言われたものでした。

完全な修理・・・とは何でしょうか。
仮に、車両保険が100万円、弊社の通常車両保険で認められる修理方法での見積もりが120万円で、
100万円で完全な修理をしないと保険金が支払われない・・・?

弊社の+20万円が無意味に加算された利益である、という事を保険会社が言いたいのか、
100万円分でボデーショップ佐野さんなら完全な仕上がりに見えますよ、という意味なのか分かりませんが、

修理契約を行うのはお客様と修理の依頼を受けた店舗です。
120万円の見積もりが出ている損害を100万円で修理する方法を希望された場合は、中古部品を使うのか、20万円分修理内容をあきらめてもらう必要があるので、その内容が「完全」であるとは絶対に言えません。
(というよりも、壊れたものを修理するという仕事は、魔法が使えない以上完全な修理とは言えず、壊れた部分を全て色付きの新品で交換したとしても完全かどうかは顧客の感覚次第となるため、完全な修理や完璧な修理という言葉は使えません)

そこで、保険会社に「完全は無理ですよ」と当たり前の事を伝えたら、「では保険金は支払えません」となって、苦情を入れる事になったのです。

■謝罪の内容

「大変申し訳ございませんでした。社内規定に完全という言葉があったため、完全という言葉が一人歩きしてしまったようです。約款に基づき、保険の性質上、車両保険価額以上のご修理をしていただければ、車両保険価額がお支払いできます。車両保険価額以下のご修理であれば、その修理金額をお支払いするという内容です。ご説明が不足しておりまして申し訳ございません。」

全然意味が違いますね・・・。このように説明していただければ、約款を読んだ事がある人は理解できる内容だと思います。
保険の性質とは、修理によって価値が元に戻る事はできますが、修理によって価値が上がる事はできない、という建前になっているからです。
(実際には、得をしたと考えられるケースはございます)

そのため、昨今のように中古車市場が過熱する、円安によって輸出が活発になると、
車両保険が30万円(すぐに全損になってしまう)、お客様が全損になっても走れるのでまだ乗りたいと思っても、保険を使って受け取れる車両保険が(場合によってはマイナスだが、さすがに請求はされない、という意味で)0円になる、というケースが多くなります。
意味が分からないかもしれませんが、契約約款上は起こりえる話です。
つまり、車両保険金30万円を受け取って、車の名義が保険会社に変わる!という契約内容にお金を払っているという事になります。

これは別で記事にした方が良いですね。

今回のようなケースで、多くの修理工場は、保険会社の担当者なんかどうせ何も知らないから適当に言っておけばそれでいいだろ、と思いながら「完全な修理ですね、分かりました!」と言っているのではないかと思います。
しかし、もしご契約者にその話が届いたら、「20万円分はなんだったのか、誰が泣いたのか、本当に完全に修理されているのか」という揉め事の火種になりかねません。

保険会社には、「契約者にしっかりと契約内容の説明をする責任と責務は保険会社にある。私たち修理工場がお客様に約款や保険会社と話した内容を説明しなければ理解してもらえないのはおかしい。今後も同様の事があったらすぐに苦情を入れる」という事を伝えておきました。

■そのほかの社内規定

では他にどのような内規がありそうでしょうか。
内規の文書は余程の事が無い限り見せてもらえませんが、以下のようなものが考えられます。

  • 契約者の個別の事案を考慮しない過失割合算出
  • 個別の事情を考慮しない被害者の方へのレンタカー期間の短期化
  • 修理をしない場合はこちらの見積書で、という不適切な修理代算出
  • データを出すことが出来ない「通常こう」「いつもそう」「普通はこれ」という説明

つまり、どの内規も「支払を抑えたい」「手間を減らしたい」というものです。
これは、株式会社である以上、株主の利益に資するのが目的だからと考えられますが、
契約者を馬鹿にしているようなやり方は避けていただきたいものです。

■社内規定を強要された時の連絡先

そんぽADRセンター金融庁に連絡をした方が良いでしょう。
個別の内容はそんぽADRセンター、今後同じような被害者を増やしたくないと思ったら金融庁、という使い分けになります。

■まとめ:修理工場は国交省に、契約者はそんぽADRセンターへ連絡しましょう

保険会社が約款に無いルールを押し付けてくる場合、
修理工場は国交省の窓口へ、
契約者はそんぽADRセンターへ連絡するのがベターだと考えられます。

保険会社と修理工場は修理契約を結んでいるわけではありませんので、
取適法(旧下請法)等は対象外となります。
公正取引委員会に文句を言う方が良い苦情についても、
国交省の窓口に送信して良いと思いますので、活用しましょう。

投稿者プロフィール

shusukesano
shusukesano
2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。

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