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埼玉県新座市に工場を構えるボデーショップ佐野では、業界に関する情報を多数記事にしております。
隣接する朝霞市・志木市・和光市・所沢市や、東京都練馬区・西東京市のほか、都内のディーラーを含むお取引先からもご依頼をいただいております。

今回は、「保険会社の見積もりが安い場合の対処法と、金融庁の監督指針による”情報の非対称性”」についての記事となります。

結論としては、「泣き寝入りする前に、不信感や文句があればそんぽADRセンターへ電話してみましょう」という内容になります。

私たちの発信が少しでもお役に立ち、「参考になった!」と感じていただけた方は、
ぜひ応援の気持ちを込めてGoogle口コミへの投稿をお願いしております。

皆様の温かい声が、自動車に関わる皆様のあるべき姿を追求する私たちの大きな励みとなります

■情報の非対称性とは

以前、保険会社のアジャスターの見積もりは”公平”か? という記事で情報の非対称性に少し触れました。

弊社は、ブログ記事の内容の専門性と貴重性から、
ローカルビジネスとは思えないほど全国からご相談をいただきます。

業界のあるべき姿についてブログ記事にしてきましたが、
最近のご相談の傾向の一つに、保険会社の見積もりが極端に安い場合があります。

情報の非対称性とは、「取引を行う当事者の間で、持っている情報の量や質に大きな格差がある状態」ですが、一生に1回しかしないかもしれない事故やその修理の情報の量や質に、保険契約者や事故被害者と、保険会社や自動車修理工場で格差が生じるのは構造上避けられないことです。
しかし、だからこそ情報を多く持つ側の保険会社は、その格差を埋めるための丁寧な情報提供を行う責務があります。

そして、格差を埋めるための丁寧な情報提供を行うことが、保険会社に対し許認可を与えている金融庁によって、保険会社向けの『総合的な監督指針』の中で明確に示されています。
金融庁該当ページ
監督指針のPDF

■車両保険の場合:「独自ルール」を受け入れることの必要性

■ 車両保険において「約款」が絶対のルール

車両保険は、保険契約者と保険会社が結んだ「契約」に基づいています。
保険会社は金融庁の監督指針により、プロと素人の間にある「情報の非対称性(知識や情報の格差)」を埋める義務があります。
適切な損害調査(=見積もりと言えるでしょう)を行い、契約者が不当に不利にならないよう運営しなければなりません。
もしこれを怠り、不誠実な運営が常態化すれば、行政処分(業務停止など)の対象にもなり得る重大なルール、それが約款と監督指針です。

■ その見積もりで「元の安全な状態」に戻りますか?

保険会社が提示する見積もりが、ディーラーや認定工場で「この金額では修理不可能」と言われるレベルだったとしたら、それは契約者に対して適切な情報提供がなされていると言えるでしょうか。
本来、保険会社が見積もりを押し通すのであれば、以下の説明が不可欠なはずです。

  • なぜこの修理方法で安全が担保できるのか
  • この方法によるリスクは何か
  • 修理工場が提示する修理方法と、保険会社が提示する修理方法でどのような差が出るのか

しかし、事故修理のプロである私たち修理工場が当然のように行うこうした説明を、
保険会社から受けたという方は、果たしてどれほどいらっしゃるでしょうか。

■ 「修理しないなら消費税はゼロ」という理屈は約款に基づいているのか

特によくあるのが、「修理をしないなら(現金払いのなら)、消費税分はカットします」という主張です。 理由を尋ねても「実際に修理代が発生していないから、消費税もかからない」という説明に終始します。

しかし、一般的な約款では「修理代相当額」を支払うことになっています。
消費税を含まない金額では、その見積もり内容の修理を完遂することは物理的に不可能です。
保険会社が本来支払うべき消費税を支払わない事で、やっぱり修理がしたいとなった時に「すみません、保険会社が支払ってくれなかったので、消費税分値引きしてもらえませんか?」と契約者が言わなければいけないような支払いをするのは、実質的な「不払い」ではないでしょうか。

■ 約款に書いていない保険会社のマイルール、それは「後出しジャンケン」です

もし保険会社が「修理しない場合は消費税を払わない」と主張するなら、
契約時の約款にその旨が明記されていなければなりません。
約款に記載がないルールを事故後に出してくるのは、契約時の説明不足であり、まさに情報の非対称性を悪用した不誠実な行為です。

■困った時のそんぽADRセンター

そんぽADRセンターは苦情受付窓口であり、統計を取ってよくある苦情をまとめ、保険会社に是正を促します。
そんぽADRセンターはこちら

保険会社の対応がおかしい、契約時に説明を受けていないが、約款のどこに記載があるのか聞いても答えてくれない、答えてもらったけど解釈が自分と異なる・・・という時に相談してみても良いでしょう。

■被害事故なら契約ではなく法律上の義務になる

車両保険の話が長くなりましたが、実は「被害事故(対物賠償)」でも全く同じことが言えます。
監督指針は保険金を支払う相手に対しての指針であり、当然、対物保険の支払先である被害者も情報の非対称性を埋める相手としています。

むしろ車両保険が「約款(契約)」に縛られるのに対し、被害事故は「損害賠償(法律上の義務)」です。
加害者は被害者に対し、発生した損害を完全に補償し、賠償事務を適正に履行しなければなりません。そのため、保険会社にはこれまで説明した通り、
「客観的な事実に基づいた適切な損害調査」を行う義務があります。

地域によっては未だに耳にしますが、
「修理をしないのであれば、当社(保険会社)の見積もり額でしか支払えません」
これは果たして「客観的」で「事実に基づいた」調査と言えるでしょうか。
被害者には、本来の安全な状態に復元するために必要な「適正な修理費」を請求する権利があります。

もし、以下のような対応を受けたなら、迷わず「そんぽADRセンター」へ相談しましょう。

  • 賠償義務が正しく履行されていない(必要な修理費が削られている)
  • 情報の非対称性を利用した不誠実な対応(専門知識の差で言いくるめようとする)
  • 説明責任の放棄(なぜその金額になるのか、納得のいく根拠を示さない)

もしこれだけの論点をぶつけてもADRセンターが動かないのであれば、
もはやその存在意義はないと言っても過言ではありません。

■まとめ:不当な提示を受けた時の相談先

保険会社と修理工場は直接の契約を結んでいないため、
一般的にイメージされる『下請法』の枠組みでは解決が難しいのが現状です。
だからこそ、業界を管轄する国交省の窓口を活用しましょう。

弊社もプロとして、正しい知識に基づいた責任ある回答をさせていただきたいと考えております。しかし、全ての相談に対して無償で対応できるわけではなく、お答えできる範囲には限界がございます。

また、事故対応や法律に関わる内容はデリケートな問題です。
「個別のご相談に対して対価(費用)をいただくこと」は法律上(非弁行為)禁止されております。
そのため、「お金を払ってでも具体的な解決や交渉のアドバイスを求めたい」という場合には、
弊社ではなく、専門の弁護士へご相談されることを強くお勧めいたします。

■余談

記事を書いていて思い出しましたが、以前、ある保険会社の担当者がこんなことを口にしていました。

(指針に強制力はないというニュアンスで)
「指針(監督指針)はあくまで指針なので……」

録音しておけば良かったですね。
彼らは、国が示したルールを守る必要がないと考えているのでしょうか。

例えば、国が許認可を与えている民間車検工場(指定整備工場)の整備士や検査員が、
「車検はあくまで車検なので、基準に通らない状態でもOK」
と勝手に判断して書類を通していたら、即座に行政処分や逮捕に繋がります。

自動車の安全を守るために厳しいルールを背負っている私たちからすれば、
許認可を与えている金融庁の指針に対し、
「指針だから守らなくていい」という理屈は到底受け入れられません。
国が示す指針を軽視することは、自らの責任を放棄しているのと同じではないでしょうか。

投稿者プロフィール

shusukesano
shusukesano
2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。

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